【700号本塁打】アルバート・プホルスのWARを紹介!通算や年度別、MVP、史上4人目703本ホームラン、歴代順位も紹介

【700号本塁打】アルバート・プホルスのWARを紹介!通算成績や年度別、MVP、史上4人目703本のホームランも紹介 MVP

※本記事にはPR(アフィリエイト広告)が含まれます

メジャーリーグを語るうえで欠かせない指標のひとつが「WAR(Wins Above Replacement)」です。

WARは、ある選手が「控え選手と比べて何勝多くチームにもたらしたか」を数値化した総合評価で、打撃・守備・走塁すべてを含めて比較できる点が大きな特徴です。

皆様の中には、

  • そもそもWARって何?
  • アルバート・プホルスのWARを知りたい!
  • アルバート・プホルスって正直どれくらい活躍してるの?

という疑問を抱えている方はいらっしゃるはず。

そこでこの記事では、WARの定義やfWARとrWARの違い、メリットと限界を整理したうえでアルバート・プホルスのシーズン別・通算成績を具体的に解説します。

この記事で紹介するセイバーメトリクスがMLBの「常識」になったのかを歴史と実例で語れる人は多くありません。私が入門書として読んだのが、実話をもとに書かれた「マネーボール」です。「マネーボール」はAudibleで音声でも聴けるのでぜひ次の画像をタップしてみてください。

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セイバーメトリクスの概要

セイバーメトリクスは、野球の成績を統計学的に分析し、選手の真の価値を数値で可視化する手法です。従来の常識を覆し、OPSなど新たな評価指標を生み出しました。

  • セイバーメトリクスと歴史
  • セイバーメトリクスの指標
  • セイバーメトリクスを普及させた実話「マネーボール」

セイバーメトリクスと歴史

セイバーメトリクスは、1970年代にアメリカの野球史研究家ビル・ジェームズによって提唱されました。名称は「Society for American Baseball Research(SABR)」と「metrics(測定)」を組み合わせた造語です。

当時は、打率や打点が選手の価値を決める主な指標でしたが、ジェームズは「出塁することこそが得点につながる」と主張し、出塁率や長打率を重視する分析を導入しました。1977年に発表した「Baseball Abstract」シリーズは、従来の野球観に一石を投じました。

ジェームズの研究は、バントや盗塁が必ずしも得点に結びつかないことを統計的に示し、戦術の再考を促しました。例えば、あるチームが送りバントを20回試みた場合、得点効率は約10%低下するといったデータが発表されています。

ジェームズの考え方は当初こそ批判を受けましたが、後に多くの球団が彼の分析を参考にし、現代野球の根幹を成す理論となりました。数字によって感覚や経験に頼らない戦略を生み出した点で、セイバーメトリクスは野球を「データのスポーツ」へと進化させたと言えるでしょう。

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セイバーメトリクスの指標

セイバーメトリクスでは、選手の貢献度をより正確に表すために多くの得点との相関がある指標が考案されています。

相関を表す相関係数とは、2つの数値データの関係の強さと方向を表す指標です。相関係数は-1.00から+1.00の範囲で示され、+1.00に近いほど強い正の関係を意味します。

セイバーメトリクスで代表的なものがOPS(出塁率+長打率)です。OPSは得点との相関が非常に高く、NPBでは2008〜2017年の10年間で相関係数0.92という高い一致率を示しています。

出塁率(OBP)は「(安打+四球+死球) ÷ (打数+四球+死球+犠飛)」で計算され、長打率(SLG)は「塁打数 ÷ 打数」で求められます。出塁率(OBP)と長打率(SLG)を足したOPSは、計算が単純でありながらも選手の得点能力を評価できる重要な指標です。

また、OPSをリーグ平均100として指数化したOPS+は、異なる時代や球場間でも比較できる便利な数値です。OPS+が150なら、平均的な打者よりも50%高い得点力を持つことを意味します。

その他にも、出塁率を重視したwOBA(加重出塁率)や、打撃・守備・走塁を統合的に評価するWAR(Wins Above Replacement)などが存在します。

セイバーメトリクスの指標によって、従来評価されにくかった「出塁率などの地味な貢献」も数値化され、例えば打率は低いけれど出塁率が高いカイル・シュワーバーなどの選手が正当に評価され出しています。

ここまでWARやセイバーメトリクスを解説してきましたが、
「結局、セイバーメトリクスってどう広まったの?」
と聞かれてスパッと答えられる人は少ないと思います。
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セイバーメトリクスを普及させた実話「マネーボール」

上の動画は実話をもとに公開された映画「マネーボール」の予告編です。

セイバーメトリクスが広く知られるようになったきっかけが、2000年代初頭のオークランド・アスレチックスによる「マネーボール革命」です。

年俸総額が30球団中28位と資金力の乏しいアスレチックスのゼネラルマネージャー、ビリー・ビーンは、年俸の高いスター選手を獲得できない状況下で、セイバーメトリクスを用いた戦略に活路を見出しました。

ビリー・ビーンは出塁率やOPSやWARなどセイバーメトリクスの指標が良いにもかかわらず、見た目や評価の低さから市場価値が安い選手を集め、チームを再建。

2002年シーズンには、当時アメリカンリーグ新記録の20連勝を達成し、さらにシーズン103勝を挙げて地区優勝に導きました。

この実話をもとに2011年に公開された映画「マネーボール」は、ブラッド・ピット主演で大ヒットを記録し、セイバーメトリクスの有効性を世に知らしめました。

劇中では「選手を顔やフォームではなく数字で見ろ」というセリフが印象的に語られています。アスレチックスの成功は、その後のMLB各球団の編成方針を変え、データ分析専門部署の設立を促しました。

現在では、セイバーメトリクスの考え方がスカウティングや契約交渉にも浸透しており、野球界に与えた「マネーボール」の影響は凄まじいものがあります。

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WARとは何か?何を評価する指標か

WARは選手の総合的な貢献度を示す重要な評価指標です。ここでは以下の順に解説します。

  • WAR(Wins Above Replacement)の定義と計算
  • fWARとrWARの違い
  • WARのメリット

WAR(Wins Above Replacement)の定義

WARとは「Wins Above Replacement」の略称です。代替選手、つまり控えレベルの選手と比べてどれだけ勝利数を増やしたかを示します。

打撃、走塁、守備、投球などすべての要素を数値化し、統合して算出します。一般的に代替レベルのチームは勝率が約.320とされ、162試合で52勝程度しかできません。

基準と比較し、WARは選手がどれだけ勝利に貢献したかを数値化。打率や本塁打のように一側面だけではなく、総合的に選手の価値を評価できる点が特徴です。

ここまでWARやセイバーメトリクスを見てきましたが、実はセイバーメトリクスの起源は20年以上前にあります。
2002年、MLBアスレチックスは年俸総額30球団中28位という“貧乏球団”でした。ところがセイバーメトリクスを導入した結果、103勝・リーグ記録の20連勝を達成します。
この実話を描いたブラッド・ピット主演映画『マネーボール』は、データが野球を変えたことがわかる名作です。
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fWARとrWARの違い

WARには主にfWARとrWARの二種類があります。

fWARは野手の守備をUZRで評価し、投手はFIPをベースに算出する方法です。fWARは守備の影響を取り除けるため、理論的に投手の純粋な力を測れる指標です。

一方、rWARはBaseball Referenceで用いられる算出方法です。守備はDRSを使用し、投手は実際の失点ベースで評価する点が異なります。rWARは実際の試合結果に基づいた評価で、現実に近い数字を出すと言えます。

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WARのメリット

WARの最大のメリットは1つの数値で総合的な価値を比較できる点です。野手と投手を同じ基準で評価できるため、MVP投票や殿堂入り議論で活用されます。

また、WARは契約交渉や年俸評価でも重要な基準とされています。近年では「1WARは数百万ドルの価値」とも言われています。

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WARへの批判的な見方

WARは総合的な評価指標として広く利用されていますが、決して万能ではありません。fWARrWARの算出方法には違いがあり、同じ選手でも数値が異なることから「どちらを信じるべきか」と疑問を持つ声も多い事実があります。ここでは以下の順でWARへの批判や限界を整理します。

  • WARの限界
  • 「WARは出場機会で増える」「見かけ倒しでは?」との批判

WARの限界

WARは便利な指標ですが、限界も明確で、まずfWARとrWARで守備評価の基準が異なるため、選手の数値が一致しません。

UZRを使うfWARと、DRSを用いるrWARでは同じプレーを評価しても結果が変わります。また、投手の評価方法にも違いがあり、FIPを採用するfWARと実際の失点を考慮するrWARでは数値に差が出ます。

さらに、WARは環境要因やチーム状況を完全に反映できません。球場の広さや守備陣のレベルが選手の数値に影響するため、単純に比較することには限界があると言えるでしょう。

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「WARは出場機会で増える」「見かけ倒しでは?」との批判

WARは積算型の指標なので、出場機会が多いほど数値が増えやすい特徴があります。そのため「レギュラーで出続ける選手はWARが高くなるが、本当に実力差を反映しているのか」という批判もあります。

例えば、シーズンを通して安定して出場する選手は、突出した打撃成績がなくてもWARを積み上げることが可能です。そのため「見かけ倒し」と捉えられることがあります。

さらに、短期間で圧倒的な成績を残す選手よりも、平均的な活躍を続けた選手が高く評価されるケースもあります。

こうした点から、WARは選手評価の一助にはなるものの、万能な指標ではなく、OPSや防御率など他のデータと併用してこそ、正確な選手の評価につながると言えるでしょう。

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アルバート・プホルスの経歴や年度別・通算のWARなどの成績

次の動画はアルバート・プホルスが史上4人目となる通算700号ホームランを打った瞬間です。

アルバート・プホルスはキャリアハイのシーズンを含め通算成績でも素晴らしい記録を残しています。ここでは以下の順に解説します。

  • アルバート・プホルスの経歴・契約・年俸
  • アルバート・プホルスの年度別のWAR
  • アルバート・プホルスの通算の打撃成績

アルバート・プホルスの経歴・契約・年俸

アルバート・プホルスは1980年1月16日生まれ、ドミニカ共和国出身の右打者・右投げ一塁手です。

2001年にセントルイス・カージナルスでメジャーデビューし、ルーキーながら37本塁打、打点130、打率.329、WAR7.2という圧倒的な成績を残しました。2000年代を通じて平均WAR7前後を維持し、打撃だけでなく守備力と走塁力でも高い評価を得ました。2005年、2008年、2009年の3度MVPに輝き、10年間でカージナルスに2度のワールドシリーズ制覇に貢献しています。

2012年にロサンゼルス・エンゼルスと10年総額2億4,000万ドルの大型契約を締結し、MLB史上でも屈指の長期高額契約として話題になりました。

契約後は年俸約2,400万ドルを維持し続け、通算年俸は3億4,000万ドルを超えます。ポジションは主に一塁手、晩年は指名打者として出場し、42歳まで現役を続けました。

2022年にはカージナルスへ復帰し、24本塁打・WAR2.0を記録。史上4人目となる700本塁打を記録し、21年間にわたって打撃技術と身体能力を高次元で融合させた選手として、MLB史に名を刻みました。

そんなドミニカ共和国出身のプホルスが大活躍するほど、今や人種の壁はないメジャーリーグ。しかし、80年前、その礎を築いたのがドジャースのジャッキー・ロビンソンでした。
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アルバート・プホルスの年度別のWAR

年度別のfWARrWARは以下の通りです。

シーズン チーム fWAR(FanGraphs) rWAR(Baseball-Reference)
2001STL7.26.6
2002STL5.45.5
2003STL9.58.7
2004STL7.88.5
2005STL7.78.4
2006STL8.18.5
2007STL7.78.7
2008STL8.79.2
2009STL8.49.7
2010STL6.87.5
2011STL3.95.3
2012LAA3.34.8
2013LAA0.51.6
2014LAA2.73.9
2015LAA1.63.1
2016LAA1.01.5
2017LAA-1.8-2.0
2018LAA-0.50.2
2019LAA-0.30.2
2020LAA-0.1-0.1
2021LAA/LAD0.1-0.6
2022STL2.02.1
通算MLB89.9101.3

アルバート・プホルスのWAR(Wins Above Replacement)は、打撃・守備・走塁の総合貢献を示す指標で、通算でfWAR89.9、rWAR101.3を記録しています。

2001年から2010年のカージナルス時代が全盛期で、平均WAR7.5という驚異的な安定性を誇りました。特に2003年(fWAR9.5)と2009年(rWAR9.7)は、歴代右打者の中でもトップクラスの数値です。打率.330、出塁率.430、長打率.650前後という圧倒的な打撃力に加え、三振率は10%前後と低く、選球眼にも優れていました。

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2011年以降はエンゼルスへ移籍し、WARは低下しましたが、2012年に3.3、2014年に2.7を記録し、一定の貢献を維持しました。晩年は守備指標(Def)がマイナスに転じ、走塁力も低下しましたが、打撃技術でチームに貢献しました。

2022年には42歳でWAR2.0を叩き出し、衰えを見せながらも高いレベルでのプレーを続けました。

通算WAR100超は、歴代でもわずか数十人しかいない領域であり、アルバート・プホルスがセイバーメトリクスで評価しても凄かったことがわかります。

そんなセイバーメトリクスの起源は20年以上前にあります。2002年のアスレチックスの年俸総額は30球団中28位と弱小。しかしセイバーメトリクスの導入により、シーズン103勝、当時のリーグ記録20連勝を記録しました。
この実話を描いたブラッド・ピット主演映画『マネーボール』は、データが野球を変えたことがわかる名作です。
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アルバート・プホルスの通算の打撃成績

アルバート・プホルスの通算の打撃成績は以下の通りです。

項目 通算成績 備考・順位
試合(G)3,080MLB歴代9位
打数(AB)11,421歴代3位
安打(H)3,384歴代10位
本塁打(HR)703歴代4位
打点(RBI)2,218歴代2位(A・ロドリゲスに次ぐ)
得点(R)1,914歴代17位
二塁打(2B)686歴代5位
打率(AVG).296通算3割目前
出塁率(OBP).374全盛期は.420超
長打率(SLG).544歴代トップ20級
OPS.918歴代トップ25級
OPS+145平均打者比+45%
盗塁(SB)117主に序盤期に記録
通算WAR(bWAR)101.3歴代28位前後
通算fWAR89.9右打者歴代トップ級

アルバート・プホルスの通算打撃成績は、3,080試合で13,041打席、11,421打数、3,384安打、703本塁打、打点2,218、打率.296、出塁率.374、長打率.544、OPS.918という圧倒的な数字です。

通算OPS+.145は平均打者より45%上の打撃効率を意味し、歴代トップ25に位置します。3,000安打と700本塁打を同時に達成した選手は、MLB史上でもわずか4人しか存在しません。

カージナルス時代は打率.328、OPS1.037と圧倒的で、攻守に優れた一塁手として活躍しました。エンゼルス時代は成績が下降しながらも毎年20本以上の本塁打を放ち、2015年には40本塁打をマークしました。

打撃スタイルは広角打法とプルヒッティングを自在に使い分け、打球速度は平均90マイルを超えるハードヒット型。晩年の2022年には打率.270、OPS.895を記録し、42歳で再び観客を魅了しました。

長打力、選球眼、ミート力を兼ね備えたアルバート・プホルスは、21世紀を代表する右のスラッガーとして記録に残る存在です。

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アルバート・プホルスは殿堂入りするに違いない【まとめ】

アルバート・プホルスは、通算WAR100超を誇る21世紀屈指のスラッガーです。カージナルス時代には3度のMVPと2度の世界一を達成し、安定した打撃力と守備力で球史に名を刻みました。

エンゼルス移籍後は大谷翔平と共演し、晩年まで長打力を維持。通算703本塁打・3,384安打・打率.296という圧倒的な数字は、歴代でもわずか数人しか到達していません。

セイバーメトリクス的にも、プホルス功績は打撃・守備・走塁すべてで高く評価され、将来の殿堂入りは確実といえるでしょう。

そんなセイバーメトリクスの起源は20年以上前にあります。2002年のアスレチックスの年俸総額は30球団中28位と弱小。しかしセイバーメトリクスの導入により、シーズン103勝、当時のリーグ記録20連勝を記録しました。
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なお、当ブログではイチローのWAR大谷翔平のWARについても詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

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